ウィーン エルフッシ・コレクション(根付)の展覧会
ウィーン エルフッシ・コレクション(根付)の展覧会
ウィーンの金融一族でユダヤ系であったエルフッシ家の根付コレクションが2019年秋から2020年にかけてウィーンのユダヤ博物館で特別展がおこなわれました。
佐々田雅子訳、エドマンド・ドゥ・ヴァール『琥珀の眼の兎』(早川書房、2011年)という小説で自身のファミリーヒストリーとして語られています。
展覧会は、ほぼ小説の内容に沿った展示で、一族がオデッサの穀物商であったころからはじまります。一族のパリ、ウィーンでの暮らし、ユダヤ系への迫害、さらにエドマンドの大叔父イギーが根付を携えて来日、その日本での暮らしなどです。根付は、小説の作者エドマンド・ドゥ・ヴァール氏の曽祖父であるビクトル・エルフッシへの結婚祝いとして、当時パリに住んでいたシャルル・エルフッシから贈られたものでした。シャルル・エルフッシは、プルースト『失われた時を求めて』のスワンのモデルの一人と言われています。
展覧会には、シャルルとマネの関係で有名な「アスパラガスの絵」も展示されていました。
「エルフッシ宮殿」と呼ばれていたエルフッシ家のウィーンの家は、リング通りに今でも残っています。