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日本研究の歴史 日本アジア協会設立経緯①

ケンブリッジ大学図書館の日本関連書籍の記事で、

アストン・サトウ・シーボルトコレクションが基盤と述べましたが、

アストンなどの日本研究者が日本滞在時に研究報告をしていたのが日本アジア協会です。1872年に設立、現在も活動中の学術団体です。

日本アジア協会の設立には、オールコック駐日公使らイギリス人を中心とした王立アジア協会の支部として設立しようとしたところ、イギリス人以外(主にアメリカ人)がそれに反発したという経緯があります。まずは、王立アジア協会が設立されていく経緯について記します。

 

1600 年 、イギリス東インド会社が設立されると

1602年 ジャワ島バンテンに商館設置

1613年 平戸に商館設置されたほか、    

インド各地に商館が設置 (ムンバイ(1668年)ほか)されていきます。

1711 年 には広州に商館を設置されます。

 

インドにおいての現地の研究グループとして、

1784 年 ベンガル・アジア協会 The Asiatic Society of Bengalが 設立されます。

東インド会社判事ウィリアム・ジョーンズが設立し、初代会長に就任しました。

 

この動きを経て、本国で

1823 年 The Royal Asiatic Society of Great Britain and Ireland(英国・アイルランド王立アジア協会)が元ベンガル・アジア協会会長コールブルックの主導で、ロンドンで設立されます。

 

この背景には、オランダがバタウィア学術協会(1778 年)

       フランスがアジア協会(1822 年)    を設立していたことがありました。

その後、王立アジア協会支部が設立されていきます。

【王立アジア協会支部の設立】

1829 年 王ア協会ボンベイ支部 The Bombay Branch of the Royal Asiatic Society

1847 年王ア協会中国支部(香港)The China Branch of the Royal Asiatic Society

1858 年王ア協会北中国支部(上海)The North China Brunch of the Royal Asiatic Society

1877 年 王ア協会マレー支部シンガポール)The Malaya Branch of the Royal Asiatic Society

1885 年 王ア協会北京東洋協会 The Peking Oriental Society

1900 年 王ア協会朝鮮支部(ソウル)The Korean Brunch of the Royal Asiatic Society

 

そのなかで、王立アジア協会支部ではなく創設されたのが日本アジア協会でした。

1872 年 日本アジア協会(横浜)The Asiatic Society of Japan

英語名称にも、他とは異なりthe Royal Asiatic Societyは入っていません。その経緯について次に述べたいと思います。

 

【参考文献】

楠家重敏『日本アジア協会の研究―ジャパノロジーことはじめ―』近代文芸社、1997 年。

ダグラス・M・ケンリック(池田雅夫訳)『日本アジア協会 100 年史―日本における日本 研究の誕生と発展―』 横浜市立大学経済学研究所、1994 年。