2020年2月29日から6月21日まで、イギリス、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で「Kimono:Kyoto to Catwalk」展が開催されました。
https://www.vam.ac.uk/exhibitions/kimono-kyoto-to-catwalk
先ごろ、Anne Jacksonによる物論考が上がりました、
https://www.iias.asia/the-newsletter/article/tale-two-silks
着物姿の絵というとジェームズ・マクニール・ホイッスラーの「バラと銀:陶磁の国の姫君」や、クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ」など
19世紀後半からのジャポニスムの流行に伴う絵画が想起されます。
それ以前の時代にも着物を着た人物の絵で有名なのは、フェルメールの「地理学者」です。男性が来ているのは、ヤポンスロックです。
日本とオランダとの交易がオランダ東インド会社によって担われていた時に、
オランダ商館長は、江戸参府にて将軍と謁見の際にに着物を賜り、知己または道中面会した藩主からも賜ることがあり、それを母国に持ち帰り土産などにしていた。
海外における着物受容の歴史については、以下の研究があります。
深井晃子『きものとジャポニスム 西洋の眼が見た日本の美意識』(平凡社、2017年)
また、在外コレクションの中におけるきものについての調査報告もあります。
深井晃子、長崎巌、周防珠実、古川咲『ヨーロッパに眠る「きもの」ジャポニスムからみた在欧美術館調査報告』(東京美術、2017年)
冒頭、パパゲーノが狩衣を着て登場とト書きにあります。
そのころのモーツァルトの故郷ザルツブルク、首都ウィーンをはじめヨーロッパのカトリックが強い都市では、対抗宗教改革の機運からイエズス会が殉教劇、オペラを推進していました。
ジャポニスムの時代(19後半−20世紀)には着物を着た女性。
時代が遡ると男性(知識人層)が羽織っていることなど、文化交流、ジャポニスム、ジェンダー史、など様々な観点からこれからもきものなど衣服の持つ文化表象について考えていきたいとおもいます。
日本に関するオペラというと「蝶々夫人」が思い浮かびますが、詳しくはまた別の機会に。