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ウィーン万国博覧会と日本④ ウィーン万博研究の今2022

 

1873年ウィーン万国博覧会 日墺からみた明治日本の姿』(思文閣出版、2022年)が刊行されました。

1873年ウィーン万国博覧会|出版|思文閣 美術品・古書古典籍の販売・買取、学術出版

 

拙稿これまでの研究から進めたことは、以下、2点です。

①ウィーン万博への正式な参加決定の時期について、オーストリア=ハンガリー帝国公使の着任、天皇への謁見の時期と重なっていることを考察

②ウィーン万博参加決定が、岩倉使節団出発後であり、いわゆる留守政府の大隈、佐野常民佐賀藩が主導という点から、1867年パリ万博への佐賀藩の参加、さらには、それ以前より続く佐賀藩の有田焼のアジア、ヨーロッパへの輸出について、近年の考古学分野の出土研究(アジア、アフリカ、中南米など)にも留意しながら考察しました。

 

1873年ウィーン万国博覧会は、政府報告書である、田中芳男・平山成信編『澳国博覧会参同記要』(森山春雍、1897年)があります。(国会図書館デジタルライブラリー)

 

明治政府が正式に初めて参加した万博であり、その後の万博参加のモデルともなったため、すでに研究の蓄積があります。代表的なものは以下の通りです。

角山幸洋『ウィーン万国博の研究』(関西大学経済政治研究所、2000年)

藤原隆男『明治前期日本の技術伝習と移転 ウィーン万国博覧会の研究』(丸善プラネット、2016年)

戸田清子「近代日本における博覧会の産業振興的意義と役割―ウィーン万国博覧会を中心に」(『奈良県立大学研究季報』20巻・3号、2010年)

阿部大地「ウィーン万国博覧会に出品された天産物」(洋学25号、2018)

坂本久子「日本の出品にみるフィラデルフィア万国博覧会とウィーン万国博覧会の関連」(『日本デザイン学会研究発表大会概要集』54、2007年)