在外日本関連コレクション 博覧会/博物館 調査研究 

在外日本関連コレクションの調査・研究報告 https://researchmap.jp/mamiko

NY メトロポリタン美術館 着物展覧会  ジョン・C・ウェーバーコレクション

2022年6月7日から2023年2月20日まで、NYメトロポリタン美術館にて

ジョン・C・ウェーバー氏の所蔵する着物コレクションの展覧会が開催されます。

https://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2022/kimono-style

 

学芸員のモニカ・ビンチク氏による展示のコンセプト、近年の着物の展覧会の動向などについて以下の記事が参考になります。

Met exhibition frames the kimono as a global transmitter of style, beyond national costume

 

 

海外における着物コレクションとしては、2020年2月29日から同年6月21日まで、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で「Kimono: Kyoto to Catwalk」展覧会が開催されました。

海外における着物コレクション - 在外日本関連コレクション 博覧会/博物館 調査研究

 

ジョン.・C・ウェーバー氏はNY在住のコレクターで、1960年代から日本美術に精通するコレクターのメアリー・バーク氏のアドバイスをもとに日本・中国・朝鮮・ビザンチンの美術品をコレクションしています。中でも日本美術は数多く、すでにメトロポリタン美術館に寄贈されている品もあります。

 

日本でも、MIHOミュージアムで2015年9月15日から同年12月13日までにコレクションの展覧会が開催されました。

ニューヨーカーが魅せられた美の世界 ジョン・C・ウェバー・コレクション | 展覧会 | アイエム[インターネットミュージアム]

 

 

2016年4月には東京でウェーバー氏が、自身のコレクションの展覧会カタログを参照しながらコレクションについて語るというイベントも開かれました。

【Reading about Japan at I-House Library】 ジョン・C・ウェバーによる A New Yorker’s View of the World: the John C. Weber Collection リーディングセッション | IHJ Programs

現代のコレクターによる展覧会も随時紹介していきたいと思います。

アメリカ合衆国 ボストン美術館 メトロポリタン美術館 刀剣 絵巻 展覧会

2022年1月21日~3月25日まで、六本木森アーツセンターギャラリーにて

ボストン美術館所蔵『THE HEROES 刀剣×浮世絵ー武者たちの物語』展が開催されました。東京の後、新潟県万代島美術館にて4月23日~6月19日まで開催されています。

 

【THE HEROES展】ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵−武者たちの物語|新潟県立万代島美術館|2022年4月23日(土)- 6月19日(日)

 

この展覧会では、ボストン美術館に所蔵されている「武者絵」(軍記物語や武勇伝説に登場する英雄を描いた絵(浮世絵)」などを中心に、武者絵と刀剣の鍔に描かれた絵柄などに注目して構成されています。また、刀剣も展示されています。

 

1876年に開館したボストン美術館の日本美術コレクションは、エドワード・モース、アーネスト・フェノロサ、ウィリアム・スタージス・ビゲロー、岡倉天心らにより収集されたコレクションが有名です。彼等とコレクションについてはまた別記事にしたいとおもいます。今回は、ビゲローのコレクションからの品が展示されています。

また現在、NY メトロポリタン美術館にて2022年3月21日から刀剣の展示が開催中です。

https://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2022/samurai-splendor

 

ヨーロッパだけでなく、アメリカでも刀剣、サムライの展覧会が今年に開催され、日本でも開催されている、ということが、近年の刀剣に対する関心の反映とも言えると思います。

大英博物館所蔵北斎展 サントリー美術館

`2022年4月16日ー6月12日、サントリー美術館にて大英博物館所蔵の北斎展が開催されています。
 
大英博物館ではm2017年5月-8月に北斎展が開催されました。
 
北斎の「諸国瀧廻り」、「諸国名橋奇覧」などが面白さとダイナミックで印象に残りました。
今回の展覧会での面白さは、大英博物館に所蔵されている日本関連文物について、北斎、そして日本美術との関係からコレクター、日本研究者の紹介・彼等の業績、コレクションについても紹介がなされているという点です。
取り上げられたのは、ウィリアム・アンダーソン(1842-1900)、オーガスタス・ウォラストン・フランクス(1826-1897)、アーサー・モリソン(1863-1945)、チャールズ・ヘーゼルウッド・シャノン(1863-1937)、ローレンス・ビニョン(1869-1943)、ジャック・ヒリアー(1912-1995)です。
 
北斎作品の展示のキャプションにも、アンダーソン・コレクションなど旧蔵者がわかるようになっていたり、それぞれのコレクターについての解説(執筆した研究書)なども著書の展示とともに紹介されるなどでした。
 
 
医師であるアンダーソンは、1873年に御雇い外国人として来日し海軍病院に勤務するかたわら日本で美術品を蒐集しました。帰国後、1886年に『日本絵画芸術』(‘The Pictorial Arts of Japan')を出版するなど日本美術を体系的に研究、収集した人物でもあり、1891年にロンドンに日本協会が設立されると初代理事長をつとめました。
 
大英博物館学芸員であったフランクスがアンダーソンコレクションが大英博物館に収蔵される仲介を担い、収集家モリソンは当時留学中であった南方熊楠と交流があったなど、今回紹介されているコレクターとコレクションについてはまた詳細を別記事で記したいと思います。
 

ギメ美術館 日本のサムライについての展覧会

パリ、ギメ美術館でThe bow and the sword. Japan’s samurai warriorsとして日本の武士についての展覧会が開かれています。(2022年3月16日ー同年8月29日)

Musée national des arts asiatiques - Guimet | Exhibition

The bow and the sword. Japan’s samurai warriors

 

`展覧会に合わせて特集記事も掲載されました。

asianartnewspaper.com

 

別記事でも記載しましたが、現在、ドイツ(ベルリン)にはサムライ博物館が開設、スイス(ベルン)でも甲冑特別展が開催されています。

 

甲冑コレクション アン・ガブリエル・バルビエ・ミュラーコレクションとベルリンサムライミュージアム - 在外日本関連コレクション 博覧会/博物館 調査研究

 

`パリのギメ美術館は、リヨン出身の実業家エミール・ギメ(Émile Guimet1836-1918)が収集した東洋、とりわけ日本の宗教に関連するコレクションを所蔵、展示しています。1879年にリヨンにギメ宗教博物館を設立、その後、1889年にパリに新しい博物館を建てた後フランス国家に寄付、国立ギメ東洋美術館となりました。その後、ルーブル美術館を含めたフランスの美術館政策により、東洋に関する文物を収蔵、展示する博物館となっています。もともと日本の宗教に関心があったギメが収集した仏像などは、ギメ美術館に隣接するアネックスにて常設展示されています。ギメのコレクションについては、別記事にて記したいと思います。

 

甲冑コレクション アン・ガブリエル・バルビエ・ミュラーコレクションとベルリンサムライミュージアム

海外の甲冑コレクターの博物館が、ダラス(アメリカ)、ベルリン(ドイツ)に創設されています。

 

まず、アメリカ、ダラス、アン・ガブリエル・バルビエ・ミュラー博物館です。

アン・ガブリエル・バルビエ・ミュラーコレクションは、世界でも屈指の甲冑コレクションで、コレクターのバルビエ・ミュラー氏が収集した甲冑のために博物館を創設しました。1300以上ということですが、おそらく、更に収集をつづけていらっしゃるのではないでしょうか。

ニュースレターなども充実し、世界各地へ貸し出して展覧会も開催されています。

The Samurai Collection


現在(2022年5月)は、スイスのベルン歴史博物館にて展覧会が開催中です。

Bernisches Historisches Museum : The Samurai Legend

 

2019年には、ミュンヘンのクンストハレで開催されました。

Samurai - Kunsthalle of the Hypo Cultural Foundation - Kunsthalle of the Hypo Cultural Foundation

 

2017年にはアメリカ、フェニックス美術館にて開催されました。

Samurai: Armor from the Ann and Gabriel Barbier-Mueller Collection - Phoenix Art Museum

 

もう一つは

2022年5月8日にベルリンで開館したばかりのサムライミュージアムです。

https://samuraimuseum.de/

 

収集家ペーター・ヤンセン氏の私設ミュージアムがベルリン中心部に移転しての開館のようです。甲冑ほか武具類が3000点以上とかだそうです。

サムライ博物館、独でオープンへ 「日本国外では最大」:時事ドットコム

 

ベルリン中心部に能舞台や茶室が!?「欧州一のサムライ・コレクション」ドイツ人男性の私設美術館が移転へ:東京新聞 TOKYO Web

在外日本古典籍資料 

国外にある日本の古典籍については、コーニッキー先生、林望先生を中心とした悉皆調査がなされ、その後、現在は国文学資料館がすすめています。

 

コーニッキー先生のサイト

base1.nijl.ac.jp

 

base1.nijl.ac.jp

ヴィクトリア&アルバート博物館② 万国博覧会の日本展示品コレクション

ヴィクトリア&アルバート博物館では、万国博覧会での日本出品物について、地上階の日本展示区域、上階での万国博覧会関連展示でみることができます。もちろんそれ以外の日本関連文物もありますが、そちらは別記事とします。

 

地上階(1階)展示の日本展示区域の正面入り口には、

鈴木長吉「孔雀大香炉」1878年パリ万国博覧会の日本出品物です。

日本展示区域入口 鈴木長吉「孔雀大香炉」1878年パリ万国博覧会出品

1867年フィラデルフィア万博で展示された陶磁器も見ることができます。

ヴィクトリア&アルバート博物館① 陶磁器コレクションと1876年フィラデルフィア万博 - 在外日本関連コレクション 博覧会/博物館 調査研究

 

そのほかの万国博覧会などでの日本出品物の陶磁器、輸出工芸品として製作された陶磁器なども見ることができます。

日本区域 陶磁器など

 

日本展示区域には、別記事としますが、「マゼランチェスト」と呼ばれる漆の長持、甲冑、ゴスロリ、キティちゃん関連などが展示されています。

 

地上階の展示のほか、上の階で万国博覧会の展示階があり、万国博覧会の第1回となる1851年ロンドン万国博覧会関連、そのほか様々な万博の展示品などを見ることができます。

1867年パリ万国博覧会の日本展示物も展示されています。