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ヨーロッパにおける日本関連文物の歴史

ヨーロッパにおける日本関連文物の歴史

 

神聖ローマ帝国皇帝フェルディナンド1世の息子でチロルの大公となったフェルディナンド2世はオーストリアハプスブルク家の家系で最初に大規模な美術品収集を行った人物です。

 

フェルディナンド2世は1567年以来インスブルックのアンブラス城に美術品陳列室を設けました。のコレクョンの中に漆の日本製の箪笥とインド製と推測される机の天板がありました。これらは大公の死後に編纂された1596年の収蔵品目録に記載があることから判明しています。

 

現在ヨーロッパに残る日本からの文物で、はっきりと日本からとわかっているものは、織田信長豊臣秀吉といった大名からヨーロッパの王侯諸侯へ、もしくは天正遣欧使節などの使節団からの贈答品、イエズス会士ら宣教師たちから本国への土産といったものが考えられます。この場合は、贈答、および所蔵の記録が残っており、そこから由来などが判明している場合が多いです。

 

アンブラス城のフェルディナント2世の場合、母方からのスペイン・ハプスブルグ家にもたらされた(その所蔵は、イエズス会士や、日本からの贈答品と考えられる)から伝わったという可能性が考えられます。

 

この当時、日本からの最高級品として贈答品として選ばれたのは、漆器、そしてその他美術工芸品として屏風などでした。

 

屏風は、ビオンボとして、漆器は、ジャパニングとして、着物はヤポンセ・ロックとして、紙(和紙)も近いものがインドや中国で似せたものが作られてヨーロッパにもたらされることあったったようです。