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Stories of Clay:Discovering Choson Korean Potters in Tokugawa Japan  江戸時代の朝鮮人陶工の物語 展覧会

スペイン バルセロナのAutonomous大学のAftermath of the East Asian War of  1592-1598 プロジェクトの一環として江戸時代の朝鮮人陶工についての展覧会Stories of Clay:Discovering Choson Korean Potters in Tokugawa Japan  (オンライン)があります。

aftermath.uab.

 

実際の展覧会のような体験をと、web上で5つの部屋(起源・日本での生活・技術・適応・影響)のサイトに入り、展示と説明書きを読むことができます。

いずれも、実物(出土遺物や古文書、絵図)に解説がありますが、とりわけ、連れてこられた陶工と彼らの生活(room2)は見ごたえがありました。

 

中でも、器(bowl)にハングルで当時の生活を詠んだ詩がかかれたものや、苗代川での生活の様子、陶工ではありませんが、連れてこられた官人姜沆と彼の『看羊録』の紹介もありました。また、技術では窯や製造に使う道具、さらには茶の湯文化、高麗茶碗などの茶道具としての発展といった観点からの解説もあります。

 

ヨーロッパでの日本陶磁器の展覧会は、物(東洋趣味・磁器の開発)や交易(オランダ東インド会社、出島、商館など)についての観点が主流ですが、このように日本の陶磁器の黎明期や秀吉の朝鮮出兵朝鮮人陶工、彼らの日本での生活、茶の湯文化と陶工など、とても興味深いexhibitionです。

このオンライン展覧会では、幾人かの朝鮮人陶工とそれぞれの地域での様子が紹介されています。その中の一人、有田の百婆仙は有田焼の母とも称され、数百人もの陶工を指導したといわれています。

 

彼女をモデルとした韓国ドラマ『炎の女神ジョンイ』があります。日本に来る以前の話ですが、当時の朝鮮での陶工、宮廷の陶磁器製造所、貿易商などが舞台となっており、面白いドラマです。